Atsumi's AURA-SOMA・オーラソーマカラーセラピー&タロット占い〜コラム「敵に愛を送る」〜





【敵に愛を送る】(2005.5.9)

ゴールデンウィーク直前に悲惨な事故が起こってしまいましたね。そう、あのJR西日本の事故です。私は今でもテレビでご遺族の映像を見るたびに涙してしまいます。亡くなられた方も、ご遺族もあんなに突然に幸せを奪われて、その無念さは言葉にできるようなものではないと、考えただけでも胸がしめつけられます。
そんな中、ある被害者のお母様が「運転手さんは一生懸命挽回しようとして必死だったんでしょうね。かわいそうに。」とおっしゃっていたのを聞いて私は一瞬自分の耳を疑ってしまいました。何でもその方は難病を克服されたご子息を亡くされたとか。普通なら泣き叫んで加害者を攻め立てても仕方ないはずの状況の中、取り乱すこともなく加害者に思いやりの言葉をかけられたのです!
皆さんはできますか?私はできません。そうありたいとは思っても絶対に無理でしょう。どうしたらあそこまで大きな愛を心に持つことができるのでしょうか。ご子息の難病を乗り越え、強さを得られたからでしょうか。
私は地上に神を見たような気がしました。あの慈悲の心。とても並の人間のできることとは思えません。そしてそれは、だからこそ、今の世の中に最も必要なものではないかと思うのです。「敵に塩を送る」どころか「身内にも塩を与えない」ことが多い世の中においては大々的にとりあげるべきシーンだと思います。JR西日本の落ち度ばかりを繰り返し放送するのではなく、それを引き起こした人間の心のあり方を根底から正すためにも、私はむしろ彼女の大きな愛をもっととりあげて加害者側が自ら悔い改める機会を与えて欲しいと願っています。人は責められるとノーと言い、愛を示されるとイエスと素直に言える生き物だと思うから。
最後に亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。   by Uriel Atsumi